
今後の日本ではストックマンション、
つまり中古マンションが
これからますます注目されるようになります。
中古マンションが注目される理由と
それを踏まえて、リフォームの内容や費用について解説します。
目次
●分譲マンションのストック数
●既存住宅(中古住宅)のシェアが極端に低い日本
●今後は中古住宅、特に中古マンションは伸びる
●リフォーム工事の内容と費用
●リノベーションについて
●価値あるマンションと、そうではないマンションの二極化
●分譲マンションのストック数
それは人口減少し続ける日本で、
このまま新築マンションを年間約10万戸作り続けることなどに危機感を感じた政府が、
中古住宅のシェアが増えるように力を入れているから、
これが、ひとつの理由です。
そして市場もそれにこたえ始めており、
昨年は首都圏で中古マンションの成約数が新築マンションの販売数を上回りました。
これには昨今の新築マンションの割高感も、大いに関係しています。
今年はこのコロナショックで、新築の供給戸数は多少減り、
地域と価格帯によっては中古マンションの需要が強くなる傾向にあります。
フロー(新築)からストック(中古・既存)へ
そう言われているのは理由の一つは、、、、空き家問題です。

住宅ストック数は約6200万戸、世帯数約5330万世帯
マンションのストックは全国約720万戸(首都圏約370万戸)
世帯数より住宅ストックが約900万戸も上回っているわけですね。
そして、空き家830万戸ともいわれています。
●既存住宅(中古住宅)のシェアが極端に低い日本
それから欧米諸国に比べ、
中古住宅のシェアが極端に低いのが日本という国の特徴です。

2013年調べの全住宅流通に占める中古住宅の流通シェアは
アメリカ約83%、、イギリス約87%、、フランス約68%
日本はなんと約15%
この事実を見ただけでも
日本の中古住宅市場は拡大する伸びしろが、十分にあると考えられます。
●今後は中古住宅、特に中古マンションは伸びる
中古マンションの魅力の一つに
価格が安い、、、ということが挙げられます。
そして、新築より価格が安い分、
その余力で自分好みにリフォームをすることで
ライフスタイルに合ったマイホームを手に入れることが可能です。
今後のマンション選びでは中古マンションが主流になる
と申し上げましたが、それは同時に
リフォームやリノベーションを前提としてマンション選びをする
ということでもあります。
定義としてのリフォームとリノベーションの違いは何かというと
リフォーム・・・新築時の状態に戻す
(※設備などは、、新築当時よりも質が良くなると思います)
リノベーション・・・新築時の間取りにこだわらず、機能・価値を0から再生する刷新するというイメージ。
●リフォーム工事の内容と費用
ではリフォームはどのような工事内容があるのでしょうか?
不動産業界ではリフォーム工事の程度を3つにわけて予算の目途を付けています。
1.表層リフォーム
2.中間(部分)リフォーム
3.全面リフォーム(フルリフォーム)
表層リフォームとは?
全体の壁・天井の(クロス)交換、フローリング以外の床、洗面・トイレなどのCFシート張替、ハウスクリーニング
和室あれば、畳表替えや襖張替え
中間・部分リフォームとは?
表層リフォームに加え、フローリング張替え、ガスコンロ取り換え、洗面化粧台取り換えなど。機能的に取り換える必要がない設備やキレイな設備類はそのままにして、性能が疑わしい設備や汚い設備は、取り換える。
(※個別に判断して選別したリフォームをする)
全面・フルリフォームとは?
間取りそのままですべて壁・床・建具、、設備(浴室・キッチンも)などを交換すること。
費用は、
70㎡前後の広さのマンションで
表層リフォーム・・・50万円~70万円ていど
中間(部分リフォーム)・・・200~300万円ていど
これはリフォームする箇所を減らせばもっと減るし
増やせばもっと費用も当然増える
全面リフォーム・・・・600~700万円程度
リフォームもリノベーションンもそうですが
素材や、商品のレベル・機能によってピンからキリまであります。
実際に選んでいると、どんどんいいものを欲しくなり、どんどん費用が膨れ上がることがありますので注意してください。
●リノベーションについて

リノベーション、、、
これは本当にピンキリだと思いますが
70㎡程度マンションで、700万円から1000万円ぐらいが平均的な施工例だと思います。
地域によってはもう少し低額で施工する業者もいるかもしれませんし、ピンからキリで価格の上限はありません。
リノベーションでポイントとなるのは
表面上、見えるところをきれいにするということのほかにもう一つ大事なのは
床下の配管工事や防水工事などです。
床下の給排水管まで工事すると、割高にはなります。
リノベーション済みマンションということで不動産業者が売主となり販売しているマンションがありますが、注意していただきたいのは、
床下の給排水管の取り換え工事までやっていない物件も多々確認できることです。
表は綺麗になっているけど、見えない床下では水漏れが、、、
などということになっては大変です。
でもどうせやるなら給排水の工事まで施工したほうが安心です。
いずれにしても必ず点検だけはして下さい。
リノベーションにはR1住宅というものがあります。
社団法人リノベーション協議会が定める基準でリノベしたマンションのことです。
13の重要なインフラ部分を基準設定しています。
その基準に適合する工事を施したもの、ということですね。
13の重要なインフラ部分とは
給水配管、給湯配管、排水配管、
ガス配管、電気配線、分電盤、
情報系配線、換気設備、火災警報器、
床下地、壁下地、天井下地、浴室防水 のことです。
そしてこれらを保証する保証書を発行するマンションが
R1住宅というものです。
これらをすべてクリアしたものは安心といえるでしょう
●価値あるマンションと、そうではないマンションの二極化
これからは中古マンションがますます注目されてくると思いますが
中古マンションなら何でも良い、ということではもちろんありません。
数ある既存マンションの中で価値を保ちやすい物件にすることが重要です。
出来ればスケルトンインフィルのようなマンションを選びたいのですが、
少なくとも、二重床・二重天井のマンションを選んでいきたい。
それは水回り、キッチンやバスルームなどをある程度自由に変更できるからです。
もちろん遮音性がいいこともプラス材料です。
仮に売ることになったときでも、
需要があるマンションはいい価格で売却できます。
それから、注意していただきたいのは、
二重床で物理的には水回りを自由に変更できるマンションでも、
管理規約で制限があり自由に変更できない、
ということがあります。
管理規約とは、
マンション内の自治体である管理組合が定めるマンション内の約束事が
冊子になっているものです。
他にはフローリングが禁止であったり
フローリングの遮音性能の規定があるものもありますので
事前によくご確認の上、リフォーム計画をご検討ください。
いずれにしても
資産価値の下がらない、リフォームしやすいマンション
これが、これからのマンション選びのキーワードとなることは
間違いないでしょう。
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